悔やんだ初失点と崩れた6回の攻防
第97回都市対抗野球大会第9日 準々決勝 王子5―7西濃運輸 ( 2026年9月3日 東京ドーム )
第97回都市対抗野球大会は準々決勝が行われ、大会連覇を目指した春日井市代表の王子が、同じ東海地区のライバル・西濃運輸(大垣市)との激闘の末に敗れ、惜しくもベスト8で姿を消すこととなりました。
黒獅子旗の連覇という偉業へ向けてマウンドに上がったのは、大黒柱のエース・樋口新投手。
しかし、相手打線の徹底した球数攻めと粘りの前に、5回1/3を投げ128球、7安打3失点で降板。
涙をのむ結果となりました。
■ 16イニングぶりの初失点、そして3連打……西濃運輸の徹底した「樋口対策」
序盤から力投を続けていた樋口投手でしたが、西濃運輸打線はファウルで粘り、甘い球を逃さない徹底したアプローチで着実に球数を増やしていきました。
5回裏に今大会16イニング目にして初となる失点を喫すると、3―1と2点リードで迎えた6回裏にゲームが大きく動きます。
西濃運輸の集中打を浴びて3連打を許すなど、同点に追いつかれマウンドを譲る形となりました。
128球を投げ抜き、無念の表情を浮かべた樋口投手は、試合後に自らを責める言葉を残しました。
「自分の実力不足で相手打者に打たれてしまった。2連覇すると準備してきたから悔しい」
■ 湯浅監督が挙げた敗因「徹底して球数を投げさせてきた相手の戦略」
王者として挑み、2連覇の夢が潰えた王子の湯浅貴博監督。
敗戦のショックを隠せない中でも、ライバルチームが見せた徹底したゲームプランと勝負強さを素直に認めました。
「西濃運輸は徹底して樋口に球数を投げさせてきた。改めて学ばせてもらった」
東海地区同士、お互いの特徴を知り尽くした間柄だからこそ生まれた熾烈な戦略戦。
王子のエースを打ち崩すべく徹底された西濃運輸の球数攻めが、この激闘の明暗を分ける大きな要因となりました。
【都市対抗】連覇を狙う王子が昨年決勝再現の東海対決を制し8強1番乗り!
【編集後記:『ファウルで粘る球数攻め×スタミナ消費』。西濃運輸が講じた樋口攻略のアナライズ】
王子の皆様、そして樋口新投手、連覇へ向けた素晴らしい戦いと熱闘、本当にお疲れ様でした。
スコアラー目線で今回の樋口投手の登板をアナライズすると、「西濃運輸打線による徹底した球数増加作戦」が完璧に機能してしまった一戦でした。
今大会、圧倒的な安定感を誇っていた樋口投手に対し、西濃運輸打線は早打ちを避け、ウイニングショットや勝負球に対してファウルで粘りながら1打席あたりの投球数を確実に引き上げました。
5回終了時点で100球を超えるタフな展開を強いられたことで、本来の切れ味を誇るストレートと変化球の「低めへの制御」に微妙なブレが生じ始めたタイミングを、相手打線は見逃さずに捉えています。
6回に3連打を浴びた場面も、球威の低下というよりは、球数増加によって「追い込んでからの勝負球」が甘く入ったところを狙い打たれた印象です。
連覇という重圧を背負いながら、最後までエースとしてマウンドを守り抜いた樋口投手の姿勢は、王者・王子のアグレッシブな野球そのものでした。
この悔しい敗戦と「相手の徹底した対策」を乗り越え、来年さらに強くなって東京ドームへ戻ってくる王子の逆襲に期待せずにはいられません。








