捕手・印出が予選の悔しさを糧に導いた「先発・安達の5回零封」と攻守の起点
第97回都市対抗野球大会第8日 2回戦 三菱重工East5―0Honda熊本 ( 2026年9月2日 東京ドーム )
第97回都市対抗野球大会は2日、東京ドームで2回戦が行われ、横浜市代表の三菱重工EastがHonda熊本(大津町)を5―0で破り、2年ぶりとなるベスト8進出を決めました。
この勝利を影で支えたのが、「8番・捕手」でスタメン出場した印出(いんで)捕手です。
予選での苦い経験を糧にしたクレバーなインサイドワークで先発・安達投手の5回無失点をアシスト。
打っても3回にチームの集中打を呼び込む起点となる右前打を放ち、攻守に渡る大活躍を見せました。
■ 相手の「ベタ付き」を突く強気の強攻策!内角攻めが生んだ外角カットボールのキレ
試合は1―0で迎えた3回裏、先頭の印出捕手が右前打で出塁すると、ここから打線が繋がり一挙3得点。
勝利を大きく手繰り寄せるビッグイニングを作り出しました。
本業のキャッチャーとしては、2・4・5回と3度にわたって先頭打者の出塁を許す苦しい展開となりながらも、終始落ち着いたリードでホームを踏ませませんでした。
ホームベース寄りに立つ相手打線に対し、早いカウントから物怖じせずインコースを強烈に要求。
内角を強烈に意識させたことで、左打者の外角へ逃げるカットボールの効果を何倍にも跳ね上げました。
「先頭だったので出塁できて良かったです。安達は(構えたところに)投げきれるコントロールがある。
(相手打線はホームベース際に立つことが多く)ベタ付きされましたが、苦しいところをしっかり通して、インコースに投げてくれたおかげです」
■ 西関東予選での「途中交代」という屈辱……晴れ舞台で掴んだ進化の手応え
晴れ舞台で魅せたこの好リードの裏には、西関東予選で味わった深い悔しさがありました。
日産自動車との第2代表決定戦。
この日と同じ安達投手とバッテリーを組んだものの、3―2で迎えた4回裏の守備から途中交代を命じられる屈辱を経験。
「自分がチョイスしたボールを打たれてしまった」と自責の念に駆られ、本戦までの期間を課題克服に費やしてきました。
「予選では皆さんに迷惑をかけてしまったんですが、カバーしていただき、第2代表を取ることができた。こういう機会をつくっていただき、改めて感謝しています」
一度は躓いた東京ドームの大舞台で、見事リベンジを果たした若き扇の要。
「少しは進歩できたと思う」と語る表情には、確かな成長の証と手応えが滲んでいました。
次戦となる準々決勝は、9月4日に強豪・大阪ガス(大阪市)と激突します。
【都市対抗】Honda鈴鹿の155キロ右腕・川原嗣貴が黒星の中で放った圧倒的存在感!
【編集後記:『インサイドワークの修正力×一過性で終わらせない対応力』。印出太一が見せた捕手としてのスカウティングバリュー】
三菱重工Eastの皆様、そして印出捕手、ベスト8進出おめでとうございます!
スコアラー目線で今回の印出捕手の配球をアナライズすると、「相手打線の踏み込み(ベース寄り立ち位置)に対する配球の切り替え速度」が極めて秀逸でした。
打者がホームベース寄りに立ち、外角球を強引に引き込もうとする意図を察知した段階で、投手の制球力を信頼してインハイ・インローのシビアなラインへストレートを投げ込ませる度胸。
この「内角を見せる作業」を序盤に徹底したからこそ、カウントを優位に進めつつ勝負球である外角カットボールのボールゾーンへの切れ込みが劇的な効果を生みました。
予選での「配球ミスによる途中降板」というデータベース上の課題を放置せず、本戦までの短い期間で配球パターンの引き出しを増やし、実戦で即座に修正してみせた対応力は、捕手としてのスカウティング評価を大きく跳ね上げるポイントです。
次戦の相手は強打と緻密さを兼ね備えた大阪ガス。
難敵を前に、覚醒した若き司令塔・印出捕手がどのようなリードで投手陣を引き出し、黒獅子旗へとチームを導くのか。
三菱重工Eastの秋の快進撃を、虎渓三笑TVでも熱く追い続けていきます!








