「恩師の教え」を胸にさらなる高みへ
第97回都市対抗野球大会は全日程が終了し、新人賞にあたる注目の「若獅子賞」に、ベスト4進出を果たした三菱重工East(横浜市)の小沢周平内野手(23)が選出されました。
大会を通じて「4試合先発出場・打率.438(16打数7安打)」という驚異的なアベレージを叩き出し、チームの快進撃を牽引。
プロ注目ルーキーは受賞の喜びを控えめに語りつつ、周囲への感謝を真っ先に口にしました。
「自分一人の力では獲れない賞なので、チーム、チームメート、先輩方に感謝して、これを自信に変えてまた頑張っていきたいと思います」
■ 全4試合で安打を記録!準々決勝で見せた「金森理論」の体現
小沢選手は1回戦から準決勝までの全4試合で安打を放つ抜群の安定感を披露。
その中でも真骨頂と言える打席が、準々決勝の大阪ガス戦で見せた7回先頭の打席でした。
フルカウントからの8球目、相手投手・定本が投じたカット気味の厳しい内角球に対し、見事にバットを押し込んで中前へ落とす安打をマーク。
ハイレベルな投手陣の決め球を打ち崩した瞬間でした。
「フォーク、カーブの2球種も頭にある中で、インコースの真っすぐを引きつけて打つことができたのは良かったです」
この技ありの安打の裏には、母校・早稲田大学時代に金森栄治助監督(元西武ほか)から叩き込まれた「最短距離でボールを打て。
トップからボールを捉えるまでの時間が短いほど打率は上がる」という指導の教えがありました。
変化球を頭に入れながらも内角直球に対応できたのは、トップからインパクトまでの無駄を極限まで削ぎ落としたスイング軌道を徹底して身につけていたからこそと言えます。
■ 歓喜も束の間、視線はすでに「日本選手権予選」へ
社会人最初の夏に最高の個人の勲章を手にした小沢選手ですが、慢心する様子は一切ありません。
休む間もなく始まる秋の日本選手権予選を見据え、すでに気持ちを切り替えています。
「一から基本に戻ってしっかりやっていきます」
若獅子賞という最高のスターティングポジションを切った23歳の極上スラッガー。
社会人野球の未来を担う逸材として、その打撃技術から目が離せません。
【編集後記:『バットの出し方(スイングパス)の短さ』。小沢周平が見せる打率.438のメカニズムとプロ評価】
三菱重工Eastの皆様、そして小沢周平選手、若獅子賞の受賞本当におめでとうございます!
スコアラー目線で今回の小沢選手の打撃メカニクスをアナライズすると、「トップからインパクトまでの短さ(スイングパスのコンパクトさ)」と「インコースへのアジャスト能力」が社会人1年目にして完全に確立されています。
早大時代の金森助監督の教えである「最短距離でのスイング」は、木製バットでの対応において最も重要な要素です。
特に大阪ガス・定本投手のカットボール気味の内角球に対し、ドアスイングにならず体を鋭く回転させてバットのヘッドを遅らせて出し、ポイントを引きつけてセンタートップへ弾き返した技術は圧巻でした。
変化球を待ちながら内角直球に対応できる「見極めのタイムラグ(時間の余裕)」を作れている点は、NPBスカウト陣にとっても「木のバットへの適応力が高い中距離打者」として非常に高いトラッキングデータ・評価につながります。
新人賞を引っさげて挑む秋の日本選手権、そして来年のドラフト解禁年に向けて、小沢選手がどのような打撃を見せてくれるのか。
虎渓三笑TVでもその進化のロードマップを追い続けていきます!








