ドラフト候補・柴崎聖人が極大の決勝ソロ弾で完全復活
第97回都市対抗野球大会第7日 2回戦 王子4―3三菱自動車岡崎 ( 2026年9月1日 東京ドーム )
第97回都市対抗野球大会は1日、東京ドームで2回戦が行われ、連覇を目指す春日井市代表の王子が、昨年の決勝戦と同カードとなった岡崎市代表の三菱自動車岡崎との熾烈な東海対決を4―3で制し、2年連続のベスト8進出一番乗りを果たしました。
この激闘に終止符を打ったのは、今秋のドラフト候補にも挙がる柴崎聖人(しばさき・まさと)外野手(24)。
同点で迎えた8回裏、打撃不振を吹き飛ばす特大の決勝ソロ本塁打を放ち、チームを逆転勝利へと導きました。
■ 打撃速度180km/h・飛距離139m!覚醒を告げる「東京ドームの特大アーチ」
3―3の同点で迎えた8回裏。
柴崎選手が相手右腕・田中の直球をとらえると、乾いた打球音とともに白球は中堅右のスタンドへ吸い込まれました。
打球速度180キロ、飛距離139メートルという規格外の打球パフォーマンス。
不振に苦しんでいた主砲の一発が、チームに大きな勢いをもたらしました。
「打った瞬間、入ったと思った。今年はJABA大会でも打てなかったので自信になります」
■ 開幕3三振からの修正能力。「悪癖リセット」と監督の予感
今大会の柴崎選手は、開幕戦で3打席連続三振を喫するなど本来の打撃を見失っていました。
「力むとバットを下から振り勝ちになる」という自身の悪癖に対し、初戦からの5日間のブレイクでアプローチを見直し。「低い打球」を徹底的に意識してフォームをリセットした成果が、6回の左中間適時二塁打、そして8回の大反撃弾へと結実しました。
ベンチで見守っていた湯浅貴博監督も、柴崎選手の復調ストーリーを確信していました。
「(4回に)ベンチでコーチと“次は一発出るんちゃうか”と話した。左打者は左中間にいい当たりが出ると、次はいい結果が出るんです」
また、視察に訪れた巨人・木佐貫洋スカウトも「左投手から反対方向に打てるくらい左手の押し込みが強い。広角に打てる中距離タイプ」と高く評価。スカウト陣へ向けても絶好のアピールとなりました。
■ 「東京ドームを楽しむ」連覇へ向けた主砲の完全復活宣言
ライバル・三菱自動車岡崎との追いつ追われつの激戦を制し、王者としての強さを示した王子。
完全復活を果たした柴崎選手は、さらなる高みを見据えています。
「研究はされていると思いますけど、調子は上がってきたので、東京ドームを楽しみたい」
連覇へのキーマンが目覚めた王子が、この勢いのまま黒獅子旗の連覇へ向けて加速していきます。
【編集後記:『打撃速度180km/hが示す出力高さ×左手押し込み』。柴崎聖人がNPBスカウトを唸らせる理由】
王子の皆様、そして柴崎聖人選手、2年連続のベスト8進出おめでとうございます!
スコアラー目線で今回の柴崎選手の打撃メカニクスをアナライズすると、「左手のアッパー軌道修正」と「コンタクト時の圧倒的出力(打球速度)」が完璧にアジャストされた一戦でした。
ドアスイング気味に下からバットが入っていた開幕戦の課題に対し、トップからインパクトまでの最短距離を意識したことで、左投手(秋山投手)のクロスファイアに対して左中間に強く弾き返せるラインが完成しました。
湯浅監督が指摘された通り、左打者が左中間へ強い打球を飛ばせる状態は、身体が開かず引き付けて叩けている何よりの証拠です。
その直後の打席で右腕の直球を逃さず、打球速度180km/h・飛距離139mというNPBトップクラスのトラッキングデータを叩き出したインパクトは、スカウト陣の評価シートを確実に書き換えるレベルのインパクトと言えます。
「状態の悪さを短期間で自己分析・修正できる能力」はプロの世界でも最も求められるスキルのひとつ。
完全覚醒を果たした柴崎選手が、この先の準々決勝・準決勝でどのような打撃を見せてくれるのか。
王子の連覇へのロードマップを、虎渓三笑TVでも追跡していきます!
◇柴崎 聖人(しばさき・まさと)2002年(平14)4月4日生まれ、兵庫県出身の24歳。
岐阜第一では甲子園出場なし。大経大では関西六大学野球リーグ通算100安打を達成。
王子では1年目の昨年都市対抗で若獅子賞(新人賞)を獲得。
年間表彰でベストナインに選出された。1メートル73、85キロ。右投げ左打ち。








