大阪桐蔭に続き連日の“選抜ファイナリスト”敗退
第108回全国高校野球選手権奈良大会3回戦 智弁学園6―9奈良大付
( 2026年7月20日 さとやくスタジアム )
夏の甲子園出場をかけた奈良大会は20日、3回戦が行われ、全国の高校野球ファンにさらなる衝撃が走りました。
今春の選抜高校野球大会(センバツ)で準優勝に輝いた絶対的本命・智弁学園が奈良大付と対戦。
猛暑による相次ぐアクシデントに見舞われ、激闘の末に敗退。
まさかの3回戦で夏のステージから姿を消す大波乱となりました。
前日19日には、今春の選抜で優勝を果たした大阪桐蔭が大阪大会で敗退するという大激震が走ったばかり。
その翌日、今度は選抜準優勝の智弁学園までもが予選の早い段階で姿を消すという、近畿の高校野球界にとって歴史的な激動の2日間となりました。
■ 記録的な猛暑が牙をむく。エース杉本の異変と主将・角谷の負傷交代
試合は一瞬の隙も許されない緊迫した展開となりましたが、グラウンドを襲った容赦ない猛暑が、智弁学園の歯車を狂わせていきました。
今秋のドラフト候補に挙がる最速149キロ左腕の絶対的エース・杉本真滉(まひろ)投手(3年)が先発マウンドに上がるも、過酷な暑さの影響からか中盤以降に左足がつる緊急事態が発生。
本来のピッチングデザインを描き切ることができず、満身創痍の中で粘ったものの、7回6失点という無念の内容でマウンドを降ります。
さらにアクシデントはディフェンスの要にも襲いかかります。
チームの精神的支柱であり、正捕手を務めるキャプテンの角谷哲人(てつと)選手(3年)が体調不良を発症したとみられ、6回の守備から途中交代を余儀なくされました。
急遽マスクを被ったのは、1年生捕手の殿垣内大祐(とのがいと・だいすけ)選手。
不測の事態が連鎖する重圧の中、ルーキー捕手が必死のリードで強豪のホームベースを守るという、壮絶な総力戦を強いられました。
■ 8回からDH解除で2年生の太田蓮が救援するも、失策に泣き決勝点を献上
6ー6の同点で迎えた終盤8回からは、それまで「指名打者(DH)」としてスタメン出場していた2年生の太田蓮投手が急遽マウンドへ上がるスクランブル発進。
先輩たちの夏を終わらせまいと必死の投球を見せた太田投手でしたが、タイトな局面で味方の失策(エラー)が絡む不運な形から決勝点を献上。
最後まで執念を見せた智弁学園でしたが、あと一歩が届かず、奈良大付の歓喜の輪を前に涙を呑みました。
【夏季奈良県大会】春のセンバツ準優勝・智弁学園が15得点コールド発進!149キロ左腕・プロ志望を表明
【編集後記:『暑さ』という見えない魔物。智弁学園のバッテリー交代劇に見る一発勝負の過酷さと、奈良の勢力図】
智弁学園の選手、関係者の皆様、そして応援されていたファンの皆様、本当にお疲れ様でした。
春の全国準優勝から「今度こそ紫紺の大優勝旗を」と誓った夏のロードが、まさかこのような形で幕を閉じることになるとは、スコアラー目線で見ても本当に胸が締め付けられる思いです。
そして、強敵を破り金星を挙げた奈良大付の素晴らしい集中力と素晴らしいゲームメイクには心からの敬意を表します。
今回の戦いをアナライズする上で、絶対に避けて通れないのが「猛暑によるフィジカルへの影響」です。
ドラフト候補の杉本投手が左足をつり、正捕手でキャプテンの角谷選手が熱中症とみられる体調不良で6回に揃って退くというのは、通常の野球戦術やスコアリングのロジックを遥かに超えた『不可抗力』の緊急事態です。
特に捕手の途中交代は、投手の配球の組み立てやワンバウンドのストップ技術だけでなく、内野陣への指示を含めたディフェンスの「脳」が変わることを意味します。
1年生の殿垣内捕手がよく踏ん張りましたが、8回にエラーから決勝点が入ってしまった場面も、目に見えない守備の連携のズレや、連鎖する焦りが生んだ夏特有の魔物だったと言えます。
前日の大阪桐蔭の敗退に続き、これで今春の全国ワンツーが揃って甲子園にたどり着けないという事実は、現代の高校野球予選がいかにタフで、一瞬の狂いも許されない一発勝負であるかを物語っています。
杉本投手にとっては非常に悔しいラストマウンドとなりましたが、春に見せたあのスライダーのキレと、悪条件の中でもゲームを壊さず7回まで投げ抜いた精神力は、秋のドラフト戦線に向けて依然として超一流の評価であることに変わりはありません。
まずはしっかりと体調を戻し、次のステージへ向けて進んでほしいと願うばかりです。
大本命が姿を消し、混沌を極める奈良の夏。
聖地への切符を掴むのはどこになるのか、虎渓三笑TVでも引き続き最注目でこの激戦を追いかけていきます!





