値千金の決勝適時打を含む鮮やかな復活劇
東京六大学野球春季リーグ戦第4週第2日 明大13―3立大 ( 2026年5月3日 神宮 )
東京六大学野球のリーグ戦で、本来の実力を発揮できず苦しんでいた明治大学の副主将・光弘帆高内野手(4年=履正社)が、立教大戦でついにその長いトンネルを抜け出しました。
値千金の決勝適時打を含む鮮やかな復活劇で、チームを勝利へと導いています。
■ 「こんなスランプは初めて」苦悩の末に掴んだ1本
今季、開幕から6試合で東大戦のわずか1安打のみと、打率は1割を大きく割り込んでいた光弘選手。
「打撃練習では感じが良いのに、試合で打てない。どうしてなんだろう」と、これまでに経験したことのない深いスランプに頭を悩ませていました。
本来であれば中軸を任されるべき男が、この日は8番まで打順を落とす悔しいスタメン。
しかし、第1打席で待望の今季2本目の安打を放つと、完全に感覚を取り戻します。
最大の魅せ場は2ー2の同点で迎えた6回、1死満塁のチャンスでした。
打席へ向かう光弘選手に、戸塚俊美監督は「内角に来たら当たれ!肩を開かずに。
任せた」と、明大らしい熱いアドバイスで背中を押します。
マウンドには相手左腕の林投手。
左対左の不利な状況をもろともせず、「真ん中の甘い球」を完璧に振り抜いた打球は、右中間を深々と破る走者一掃の決勝3点適時三塁打となりました。
「ボールはずっと見えていた。とにかく自分の打撃をしよう、チームに貢献しようと打席に立ちました」と、副主将としての意地が勝った瞬間でした。
■ 呼び水となった一撃、主力打線にアピール弾続々
光弘選手の執念の一打は、重苦しかったチームの打線を一気に活性化させました。
直後には、3年の田上夏衣選手(広陵)に待望の今季第1号2ランが飛び出すと、4番の内海優太選手(4年=広陵)にも一発が炸裂。
さらにトドメは、プロ注目の榊原七斗選手(4年=報徳学園)によるバックスクリーンへの一撃。
榊原選手にとってはこれが今季第1号、リーグ通算10号の節目となるメモリアルアーチとなり、ネット裏のスカウト陣へ強烈なインパクトを残しました。
■ 岡田啓吾の穴を埋める、逆襲へのピース
明大は現在、同じくドラフト候補の岡田啓吾選手(4年=前橋育英)をケガで欠く苦しい布陣を強いられています。
それだけに、内野の要であり副主将でもある光弘選手の復活は、これ以上ない明るい材料です。
次戦は、3回戦で完封を許している相手先発・田中投手との再戦が見込まれますが、光弘選手は「打てなかったけれど、田中のボールは見えているので大丈夫です」ときっぱり。
スランプを乗り越え、さらにたくましさを増した明大のリードオフマン(この日は8番ですが)が、神宮の舞台で再び躍動します。
【ドラフト候補2026】明大・光弘帆高が“先輩打ち”の快音!宮崎キャンプで進化した「打てるショート」の証明
【編集後記:泥臭さと「明大らしさ」が呼んだ最高の復活劇】
開幕から打率1割未満という信じられないような不振に喘いでいた光弘帆高選手。
打席に入る姿からもその生みの苦しみが伝わってくるようでしたが、満塁の場面での戸塚監督の「内角が来たら当たれ!」という言葉、最高に泥臭くて「明治らしさ」が詰まっていますよね。
綺麗に打とうとするあまり型にはまっていた光弘選手にとって、この一言が良い意味で開き直るキッカケになったのではないでしょうか。
左対左の難しい局面で、しっかりと右中間を破る三塁打を放つあたり、さすが履正社時代から大舞台を踏んできた男です。
そして、光弘選手が打った瞬間に、田上選手、内海選手、榊原選手と、まるで堰を切ったようにアーチが連発した光景は、まさにこれからの明大の逆襲を予感させるものでした。
特に榊原選手の通算10号バックスクリーン弾は、スカウトの評価をさらにガツンと上げたはずです。
岡田選手を欠く今だからこそ、光弘選手の復調はリーグ戦終盤に向けて最大のブースターになります。
次戦の田中投手へのリベンジも含め、神宮を紫紺に染める彼らの戦いから目が離せません!







