1失点(自責0)の快投で夏初戦を突破
第108回全国高校野球選手権和歌山大会2回戦 耐久10―3橋本
( 2026年7月13日 紀三井寺 )
夏の甲子園出場をかけた和歌山大会。
一昨年のセンバツで全国初出場を果たした江戸時代創設の超伝統校・耐久(たいきゅう)が初戦に臨み、プロ注目の絶対的エース・野崎健友(けんゆう)投手(3年)の力投で、悲願の「夏の甲子園」へ向けて好発進を飾りました。
■ 立ち上がりに衝撃!自己最速を3キロ更新する「148キロ」
「初戦ですが、立ち上がりは良かった」
試合後、本人がそう振り返った通り、大勢のスカウト陣が詰めかけたマウンドで野崎投手はいきなりエンジン全開でした。
1回表、1死から迎えた2番打者への投球。
渾身のクロスファイヤーがキャッチャーミットへ突き刺さると、球速表示はこれまでの自己最速を3キロも塗り替える「148キロ」を計測!スタジアムが一気にどよめきに包まれました。
この威力抜群のストレートを軸に、「得意ではありませんが、今日は良かった」と語る切れ味鋭いスライダーをコンビネーションに交え、初回から圧巻の連続三振を奪う最高の立ち上がりを披露します。
■ 5回2死までノーヒット。6回6K無四球のピッチングデザイン
野崎投手の勢いは中盤になっても衰えません。
キレのある直球と変化球を低めに集める丁寧な投球で、5回2死まで相手の橋本高校打線を一人のヒットも許さないノーヒットノーランペースで抑え込みます。
「(ノーヒットノーランは)意識になく、とにかく抑えることだけを考えた」
5回2死からセンター前への初安打、続く左翼線への二塁打に味方の失策(エラー)が絡んで不運にも1点を失ったものの、崩れたのはこの場面だけ。
最終的に6回を投げて被安打わずか2、奪三振6、与四球0(死球1)、失点1(自責点0)という、エースとして申し分のないゲームメイクを見せました。
■ 「自己評価は50点」貪欲な本格派が目指す、伝統校初の「夏の聖地」
これだけの快投を演じ、自己最速まで更新しながらも、試合後の野崎投手に奢りの色は一切ありませんでした。
「大会前に調子を悪くしていた。今日も真っすぐが高めに浮いたりしていたし、50点ぐらいかな」
現状に満足せず、常に高い理想を追い求める姿勢こそが彼をここまでの本格派へと成長させた原動力です。
進路についてはプロのスカウトからも熱視線を浴びていますが、「今の自分では通用しないと思う。調子をキープできるようにならないと。今は進学を中心に考え、夏の大会が終わってから、またじっくり考えたい」と冷静に自らを見つめています。
今春の和歌山大会では惜しくも準優勝。
耐久高校は一昨年の春にセンバツ出場を果たしているものの、長い歴史の中で「夏の甲子園」にはまだ一度も出場していません。
「まだ夏は出たことがない。悔いのないようにやり、最後はみんなで笑って終わりたい」
力強い言葉の後に見せたエースの笑顔。伝統校の歴史を塗り替えるための、野崎投手と耐久高校の熱い夏の挑戦が幕を開けました。
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【編集後記:『148キロ』の出力と『自責0』のゲームメイク。野崎健友の伸び代と耐久のピッチングデザイン】
耐久高校の皆様、夏の初戦突破誠におめでとうございます!
プロ注目の野崎健友投手が、スカウト陣の前で「148キロ」という大台目前の数字を叩き出したのは、今後に向けてこれ以上ない強烈な名刺代わりになりましたね。
スコアラー目線で野崎投手の投球をアナライズすると、自己評価の「50点」という言葉の裏に、彼の凄まじい伸び代とクレバーな野球IQを感じます。
大会前に調子を落としていた中で、ストレートが上ずり(高めに浮く)がちだったのは本人も自覚している通りです。
しかし、本人が謙遜する「スライダー」のキレが非常に良く、高めの直球を意識させた後の低めのブレーキが抜群に効いていました。
だからこそ、高めに浮いた球を致命的な痛打にされることなく、6イニングで無四球(自責点0)というタイトなゲームメイクができたわけです。
調子が悪いなりに「どうやってスコアボードに0を並べるか」をマウンド上でデザインできる能力は、単なる『球の速い投手』の領域を完全に超えています。
進路については進学を視野に入れつつ夏の後にじっくり考えるとのことですが、この180センチを超える体躯から投げ込まれる縦の角度がある直球は、間違いなく大学・プロに関わらず数年後のドラフト上位候補になってくる器です。
智弁和歌山をはじめとする全国屈指の強豪がひしめく和歌山を勝ち抜くためには、野崎投手の「調子の波を最小限に抑えるコンディショニング」が最大の鍵になります。
一戦ごとに調子を上げ、耐久高校に初の「夏のサマーワッペン」をもたらすことができるのか。
虎渓三笑TVでも、その右腕から放たれる一球一球を最注目で追いかけていきます!






