レフトスタンドへ豪快な2ランホームラン
第75回全日本大学野球選手権記念大会2回戦 大商大7―0東日本国際大 ( 2026年6月10日 神宮 )
大学野球の日本一を争う全日本大学野球選手権は2回戦6試合が行われ、ベスト8が出そろいました。
関西六大学野球連盟代表の大阪商業大学(大商大)は東日本国際大学と対戦。
投打が完璧に噛み合い、7ー0の7回コールド勝ちで圧勝を収め、3年ぶりとなる準々決勝進出を果たしました。
この大勝劇の主役となったのが、今秋のドラフト候補に挙がる3番・春山陽登(はると)外野手(4年)です。
試合前と試合中、合わせて2つの“死球”に見舞われるアクシデントを物ともせず、レフトスタンドへ豪快な2ランホームランを叩き込みました。
■ 恐怖心ゼロ!「大商大の鉄人」を覚醒させた5回の豪快2ラン
「大商大の鉄人」の異名を持つ春山選手は、文字通り恐れを知らない男でした。
事件は試合前のブルペンで起こります。
投手の仕上がりを確認する目慣らしのために打席に立った春山選手を、まさかの投球が強襲。
左肘のエルボーガードに直撃する“死球”を受けるアクシデントに見舞われました。
さらに不運は続き、本番の試合でも3回に正真正銘のデッドボールを受けてしまいます。
普通の打者であれば、打席で踏み込むことに恐怖心や残像が残るシチュエーション。
しかし、177センチ、90キロの堂々たる体躯を誇る主砲は「ボールは怖くない」と、自らの強い信念を全く曲げませんでした。
その強い気持ちが結実したのが、5回2死一塁で迎えた第3打席でした。
東日本国際大の左腕・岡本投手が投じたストレートに対し、恐怖心を一切見せずに力強く踏み込んでフルスイング。
捉えた打球はあっという間にレフトスタンドへと消える、圧巻の2ランホームランとなりました。
「打った瞬間、行った(ホームランになる)と思いました」
そう自画自賛した一発には、春山選手にとって忘れられない過去の記憶がありました。
敦賀気比(福井)高時代に出場した2021年の明治神宮大会。全国の舞台で放った大飛球は、惜しくも左翼フェンスを直撃する二塁打に終わっていました。
「家族とも『あの時のあと30センチを越えなアカンな』と話していた。
ちょっとは成長したかなと思います」と、ニッコリと笑みを見せました。
■ 秘密兵器は「監督のズボン」!?西武・渡部を追う大砲の愛されるキャラクター
埼玉西武ライオンズで長距離砲として活躍するOB・渡部健人選手の後輩であり、右の大型スラッガーとして大学日本代表候補にも名を連ねる春山選手。
しかし、今大会の初戦は単打1本に終わり、本来のバッティングができずに悔しい思いをしていました。
そこで、現状を打破するために大会前から用意していた“秘密兵器”を投入します。
それが、大商大を率いる富山陽一監督から譲り受けていた「監督のズボン」でした。
「監督さんのズボンでいったら(験担ぎで)打てるんちゃうかなと思って」
サイズ自体は少し大きかったものの、このユニフォームが最高の幸運を呼び込むことに。
「監督さんが近くにおると思ったら、打席でも気が抜けへんし」と、独自のユーモアを交えながら指揮官への感謝を口にしました。
見事に7回コールド勝ちを収め、次戦の準々決勝へ弾みをつけた大商大。
2つの死球の痛みを、持ち前の明るさと圧倒的な一振破で跳ね返した大商大の鉄人が、このまま一気に全国の頂点へと突き進みます。
【全日本大学野球選手権】関西大が54年ぶり3度目の大学日本一!伝統の継承で慶應義塾大を破る
【編集後記:『五條リトルシニア』が生んだ逸材・春山陽登。恐怖心に打ち勝つ精神力がプロへの扉を開く】
大商大の皆様、7回コールドでの快勝、そして3年ぶりのベスト8進出、誠におめでとうございます!
投打ともに素晴らしい集中力でした。
その中でも、やはり3番・春山陽登選手の5回の一発には鳥肌が立ちましたね。
中学時代を奈良の「五條リトルシニア」で過ごし、高校野球の名門・敦賀気比を経て大商大へと進んだ春山選手ですが、彼の最大の魅力はその「圧倒的なコンタクト力と長打力」、そして何よりも「動じない精神力」にあります。
試合前と試合中で1日に2度も身体にボールを受ければ、どんな強打者でもインコースへの踏み込みが一瞬鈍るものです。
それを「ボールは怖くない」と言い切り、直後の打席でインコースのストレートに対して完璧に踏み込んでレフトスタンドへ放り込んでみせる。
このマインドの強さこそが、西武の渡部選手の後輩と言われる所以であり、NPBのスカウト陣が熱視線を送る理由そのものです。
高校時代の神宮での「あと30センチ」の悔しさを、同じ全国舞台で完全に越えてみせた成長ストーリーも実に見事。
そして、初戦の不調から富山監督のズボンを穿いてお守り代わりにするという、チームから愛されるキャラクターも彼の大きな武器ですね。
監督の目が常に下半身(ズボン)にあると思えば、そりゃあ緩慢なプレーなんてできるわけがありません(笑)。
大商大といえば、近年の関西の大学野球界でも常に質の高いタレントを輩出し続ける超強豪です。
ここから先はさらにタイトな一発勝負が続きますが、この「鉄人・春山」がクリーンアップでどっしりと機能している限り、大商大の打線に死角はありません。
次戦もぜひ「ズボンパワー」を大爆発させて、神宮・東京ドームを大きく沸かせてほしいと思います。
虎渓三笑TVでも、その豪快なスイングを最後まで全力で追いかけていきます!





