2年目右腕・印南伊吹が初回無死一、二塁から圧巻の3者連続Kで7回無失点
第97回都市対抗野球大会北関東大会1回戦 日本製鉄鹿島5―0全足利クラブ
( 2026年7月7日 日立市池の川さくらスタジアム )
アマチュア野球最高峰の舞台を目指す、第97回都市対抗野球大会の北関東地区予選。
2年連続の本戦出場を狙う名門・日本製鉄鹿島が、粘る全足利クラブを相手に投打の噛み合った盤石の試合運びを見せ、見事に初戦突破を果たしました。
マウンドで圧倒的な存在感を放ったのは、期待の2年目右腕・印南伊吹(いんなみ・いぶき)投手(23)です。
7回を投げて9つの三振を奪う快投でスコアボードに「0」を並べ、チームを幸先の良いスタートへと導きました。
■ 初回の絶体絶命ピンチで覚醒!「無死一、二塁」を3者連続三振でねじ伏せる
「自分の持ち味であるコントロールを生かして投げられたのが一番大きかった。ストレート、変化球とも良かったと思います」
試合後、充実の表情で振り返った印南投手のハイライトは、まさに立ち上がりの初回裏にありました。
味方の援護を待つマウンドで、いきなり無死一、二塁という先制の最大ピンチを背負います。しかし、23歳の若き右腕はまったく動じませんでした。
「低めをついて、ゴロを打たせよう」
頭をクールに保ち、丁寧かつ大胆に腕を振ると、相手の3番、4番打者から圧巻の連続三振を奪取。
一気にスタジアムの空気を引き寄せると、続く5番打者には渾身の内角ストレートをズバッと投げ込み、手も足も出させず見逃し三振!
絶体絶命のピンチを、驚異の「3者連続三振」という最高の形で自ら切り抜けてみせました。
この快投で完全に波に乗ると、中盤4回まで0ー0の膠着状態が続く中でも「粘って投げていれば、必ず打線が点を取ってくれる」と信じて集中力をキープ。
140キロ台の力強い直球に、ブレーキの効いたチェンジアップ、緩急をつけるカーブを絶妙に散らし、7回6安打無失点。何より「無四球」という精密機械ばりのコントロールを見せつけ、クオリティ・スタート(QS)を大きく超える大仕事を完遂しました。
■ 「横回転から縦回転へ」JABA日立市長杯での手応えを確信に変えたフォーム修正
今シーズンの印南投手は、さらなる高みを目指してストレートの精度向上に徹底的に取り組んできました。
これまでは投球フォームがやや横回転になりがちで球筋がばらつく課題がありましたが、これを改善すべく「縦回転」のメカニズムへとフォームを修正。
日々の練習から「自分の体の内側で腕を回す」という意識を徹底し、体幹を軸にしたブレのない美しいリリースポイントを確立しました。
その成果は早くも春先に現れていました。
4月に行われたJABA日立市長杯では、強豪・日立製作所を相手に4回2安打無失点と好投。
そこで掴んだ確かな手応えが、この一発勝負の北関東予選というシビアな大舞台で、完璧な形となって結実しました。
■ 5回に一挙5点!生田目、今里の連続タイムリーで主導権
印南投手の力投に応えたい打線は5回表、一気に全足利クラブの投手陣を捉えます。
チャンスを作ると、実力派外野手の生田目忍選手(29)、そして期待の内野手・今里凌選手(25)による鮮やかな連続タイムリーヒットなどが飛び出し、この回一挙5点を先制。
中盤の集中打で試合の主導権を完全に手中に収め、頼れるエースを強力にバックアップしました。
「しっかり調整して、次の出番に備えたい。持ち味を生かせるように投げていきたい」
頼もしいコメントで次戦を見据える印南投手。
日本製鉄鹿島の次なる戦いは9日、日立市池の川さくらスタジアムにて、宿敵・SUBARUとの大一番に臨みます。
【都市対抗北関東予選】4年連続を狙うSUBARUが3発大爆破で猛烈発進!
【編集後記:『無死一、二塁からの3K』に見るマインドセット。印南伊吹が手に入れた縦回転の威力】
日本製鉄鹿島の皆様、初戦突破誠におめでとうございます!
5回の集中打も見事でしたが、スコアラー目線でこの試合の勝因を挙げるなら、間違いなく初回の印南伊吹投手の「ピンチの凌ぎ方」にあります。
野球において、初回無死一、二塁というのは先制される確率が極めて高いデータが出ています。
ここで並の投手なら「内野ゴロを打たせたい」という意識が強くなりすぎて、逆に置きにいった球を痛打されるか、四球で自滅するケースが大半です。
しかし印南投手は、低めへのコマンド(制御力)を維持したまま、クリーアップを力でねじ伏せて3者連続三振に仕留めました。
このマウンド上での冷静さと引き出しの多さは、2年目とは思えないほど成熟しています。
彼が取り組んできた「横回転から縦回転へのフォーム修正」ですが、これは球威とコントロールの両方を引き上げるために非常に理にかなっています。
腕が体の内側を通る(インサイドアウトの軌道)ようになったことで、ボールに綺麗なバックスピンがかかり、140キロ台でも打者の手元で「おじぎしない(垂れない)」質の高いストレートになっている。
だからこそ、初回の5番打者を内角直球で見逃し三振に仕留められたわけです。
外角のチェンジアップやカーブとのコンビネーションも、この縦の軌道があるからこそ120%活きてきます。
次戦はいよいよ北関東の覇権を争うライバル・SUBARUとの準決勝。
SUBARUも森下選手や外山選手を中心とした強力な長打打線が爆発しており、一瞬の隙も許されないタイトなゲームになることは必至です。
しかし、この日の印南投手のような、四球で崩れない精密なピッチングと瀬戸際での粘り強さがあれば、SUBARU自慢の猛攻を最少失点に抑え込むことは十分に可能です。
東京ドームへの切符をかけた北関東の頂上決戦。
日本製鉄鹿島が誇る若き右腕がどのようなピッチングデザインを見せてくれるのか、虎渓三笑TVでもどこよりも深く、最注目で追いかけていきます!








