電撃的な休養発表
東北楽天ゴールデンイーグルスは10日、三木肇監督(49)が双方協議の末に休養に入り、同日の読売ジャイアンツ戦から塩川達也ヘッドコーチ(43)が監督代行として急遽チームの指揮を執ることを発表しました。
チームはここまで21勝36敗1分、借金15と大きく低迷。5位の千葉ロッテマリーンズとも7ゲーム差をつけられる単独最下位に沈む中、シーズン前半戦での事実上の引責辞任という、非常にショッキングな激震が走りました。
■ 無念の三木監督「大変悔しく不本意」――森井社長は「残り85試合諦めない」
電撃的な休養発表にあたり、三木監督は球団を通じてファンへ向けて無念の思いをコメントしています。
「シーズン中にこのような形となり、大変悔しく、不本意な思いであります。どのような時も支えてくださったファンの皆様には感謝の思いでいっぱいです。これからの選手の成長と活躍を願っています。ファンの皆様、選手のことをこれからもよろしくお願いします」
また、同日午前に報道陣の取材に応じた森井球団社長は、今回の決断に至った経緯を以下のように説明しました。
「この資産、選手を生かしながら、それでも前に進まなきゃいけないという決断の中で、残り85試合まだ諦めない。そのつもりで1試合でも多くファンの方に前向きな新しい戦いを見せていきたいということでお話させていただいた結果でございます。今日からまた代行という形になりますけれども、塩川ヘッドに思いっ切り戦っていただきたいと思っております」
■ 開幕から続いた暗雲。異例の鈴木大地主将任命、7点差大逆転負けが決定打に
就任2年目を迎えた今季の三木楽天ですが、開幕から投打の歯車が噛み合わず苦しい戦いが続いていました。
特にセ・パ交流戦に入ってからの失速は深刻で、セ・リーグの下位に低迷していた中日、ヤクルトを相手に球団初となる交流戦開幕6連敗を喫します。
事態を重く見た三木谷浩史オーナーが5月28日の中日戦前に緊急でチームを激励。
さらに6月2日のDeNA戦からは、シーズン中としては極めて異例とも言える「鈴木大地選手をキャプテンに据える」という劇薬を投入し、状況の打開を図りました。
しかし、一度狂ったバイオリズムは戻りませんでした。
象徴的だったのが4日のDeNA戦。
8回表の時点で7ー0と大量リードを奪いながら、そこからリリーフ陣が崩壊して歴史的な大逆転サヨナラ負けを喫します。
試合後、三木監督は「選手たちは必死にやってくれている。応援してくれているファンの方にも申し訳ない」と声を絞り出していましたが、この致命的な敗戦が事実上の引き金となってしまいました。
■ 舵取りを託された生え抜き・塩川達也監督代行。2018年の「平石ライン」再現なるか
急遽、チームの再建を託された塩川達也監督代行は、現役時代に7年間楽天のユニフォームを着てプレーした生え抜きの功労者です。
2011年の現役引退後は、1軍・2軍の内野守備走塁コーチを歴任し、今季からヘッドコーチに就任したばかりでした。
楽天の歴史において、シーズン途中の監督休養・電撃辞任はこれが初めてではありません。
記憶に新しい2018年、就任3年目の梨田昌孝監督が借金20を抱えた時点で電撃辞任した際、当時ヘッド兼打撃コーチだった平石洋介氏が監督代行に就任。
若手を積極登用してチームを立て直し、翌年の正監督就任へと繋げた前例があります。
チームのすべてを知る塩川代行が、このどん底のムードからどうやって選手たちのモチベーションを引き上げるのか、手腕が問われます。
【編集後記:あまりにも早い幕引き。求められる『生え抜き・塩川代行』の劇薬と未来へのビジョン】
楽天ファンにとっては、あまりにも重く、苦しいニュースになってしまいました。
三木監督に対しては様々な賛否両論があったかと思いますが、2軍監督時代を含めて若手の育成に尽力し、何とかチームを浮上させようと苦悩していた姿を知っているだけに、このタイミングでの「休養(事実上の解任)」という幕引きは非常に胸が痛みます。
鈴木大地選手をシーズン途中でキャプテンに指名したのも、現場としての最後の必死のメッセージだったのでしょう。
しかし、7点差をひっくり返されたあのゲームが、結果的に現場の限界を象徴することになってしまいました。
フロントが言う「残り85試合諦めない」という言葉を額面通りに受け取るならば、ここからの塩川達也監督代行の舵取りは、単なる『消化試合の穴埋め』であってはなりません。
名前の挙がった2018年の平石代行(当時)の時は、チームが最下位に沈みながらも、代行就任を機に若手を徹底的にスタメン起用し、翌年への明確な「光」をファンに見せました。
今の楽天打線や投手陣を見渡しても、ポテンシャルの高い若手や中堅の資産は確実に存在します。
内野守備走塁コーチとして長年ファームの選手たちとも泥にまみれてきた塩川代行だからこそ、各選手のストロングポイントや性格は誰よりも把握しているはずです。
借金15からの奇跡のCS進出を目指すのはもちろんですが、何よりも「これからの楽天はどんな野球をしていくのか」という、ファンが前を向けるビジョンをグラウンド上で提示してほしいと思います。
伝統のジャイアンツ戦という厳しいシチュエーションからのスタートになりますが、新体制となった鷲ナインの意地とバウンスバックに期待しましょう。
虎渓三笑TVでも、塩川イーグルスの初陣、そしてこれからの戦いぶりを注視していきたいと思います。







