スカウト陣の前で強行登板
4月14日に行われた関西学生野球春季リーグ、昨秋王者・立命大と近大の3回戦。
今秋ドラフト候補の最速151キロ左腕、**有馬伽久(ありま・がく)投手(4年)**が中1日の強行軍で先発。
8回2失点と意地の128球を投げ抜きましたが、打線の援護なく完投負け。
勝ち点を落とす悔しい結果となりました。
■ 「中1日」で修正したエースの意地。128球の熱投
12日の1回戦では、左手人差し指のマメの影響による調整不足から1回4失点降板という屈辱を味わった有馬投手。
しかし、わずか中1日のマウンドで、その不安を払拭する力投を見せました。
- 修正能力: 初回から低めにボールを集め、近大打線を翻弄。
- 投手戦: 相手先発、同じくドラフト候補の宮原廉投手との緊迫した投げ合いを展開。
- スタミナ: 最終回まで球威が衰えず、128球を投げ切る驚異のスタミナを披露。
■ 阪神含む4球団が視察。「弱い自分と戦う」
バックネット裏には、2人態勢を敷いた阪神タイガースをはじめ、NPB4球団のスカウトが集結しました。
マメの影響を感じさせないパフォーマンスを見せたものの、本人の口から出たのは反省の言葉ばかりでした。
「簡単に点を与えているようでは、まだまだ。弱い自分と戦わないといけない」 昨秋の明治神宮大会決勝で敗れた悔しさを胸に、「何かが足りない」と自らを厳しく律するその姿勢に、スカウト陣もさらなる伸びしろを感じ取ったはずです。
■ ドラフト戦線の「左腕王国・関西」を象徴する一人へ
先日、1安打完封で話題をさらった関大・米沢投手に続き、立命大のエース・有馬投手もその実力を証明しました。
今春の関西学生リーグは、まさに「左腕ドラフト候補」の競演場。勝ち点は落としたものの、この敗戦を有馬投手がどう糧にするのか。
秋のドラフト会議に向けた「逆襲の物語」は、ここから加速していきます。
◇有馬 伽久(ありま・がく)2004年(平16)7月29日生まれ、奈良県田原本町出身の21歳。
小1から平野パイレーツで野球を始め、中学は田原本中の軟式野球部に所属。
愛工大名電(愛知)では2年秋から背番号1を背負い、甲子園には2年夏と3年夏の2度出場。
立命大では1年春にリーグ戦初登板。
3年秋の明治神宮大会では大会記録となる10者連続三振を達成。
50メートル走6秒3。
1メートル75、80キロ。
左投げ左打ち。
【編集後記:エースが背負う『悔しさ』の価値】
中1日での128球完投。
言葉で言うのは簡単ですが、その過酷さと精神力は想像を絶します。
有馬投手にとって、この日の完投負けは「負け」以上の意味を持つはずです。
調整不足という言い訳をせず、マウンドで自らの指と、そして心と戦い抜いた。その「魂の投球」こそが、スカウトの心を動かす最大の要因になるのではないでしょうか。
「弱い自分と戦う」。
その壁を越えた時、有馬伽久という左腕は、金丸夢斗(中日)に続く「関大・立命大」の系譜を継ぐ本物の怪物になる。
そう確信させる一戦でした。






