藤原ロスを跳ね返し「全勝」
京滋大学野球の春季リーグ戦は20日、最終決戦を迎えました。
連覇を狙う佛教大との2回戦に臨んだ花園大学は、延長11回タイブレークに及ぶ死闘の末、劇的なサヨナラ勝利を収めました。
これにより全カードで勝ち点を獲得し、2023年春以来6季ぶり3度目となるリーグ優勝を達成。
佛教大の6季連続優勝を阻止する「全勝優勝」という最高の形で、6月8日に開幕する全日本大学野球選手権への切符を掴み取りました。
■ 「藤原ロス」を跳ね返した圧倒的な投手力と新エースの覚醒
昨秋のドラフト1位で東北楽天ゴールデンイーグルスに入団した絶対的エース・藤原聡大投手が抜け、開幕前は投手陣への不安視もあった花園大。
しかし、蓋を開けてみれば10戦中9試合が2失点以下という、社会人野球やプロ顔負けの圧倒的な「守り勝つ野球」でリーグを席巻しました。
大黒柱の穴を埋め、チームを頂点へと導いたのが、新エースの最速150キロ右腕・森田大翔投手(4年)です。
今季はマウンドを守り抜き、5戦5勝という圧巻の数字をマーク。
名実ともにリーグNo.1投手の座に就いた右腕は、試合後に偽らざる本音を吐露してくれました。
「藤原さんの次のエースと言われても、最初は胸を張って言えるような投手ではなかった。抜けた穴は思った以上に大きかったが、それを埋めるために死に物狂いで練習してきた。これで『花園大のエースは森田だぞ』と、みんなに認めてもらえるかなと思います」
■ 名将・奥本保昭監督、大学野球での初戴冠。「教育の一環」を胸に
チームを率いるのは、2021年春にコーチとして就任し、その後采配を振るう奥本保昭監督です。
京都成章高校の監督として春夏通算3度の甲子園出場に導き、元メジャーリーガーの大家友和氏や、西武の森脇亮介投手らを育て上げた名将ですが、大学野球での監督優勝はこれが自身初となります。
高校野球とは異なる大学生の指導にあたり、就任前に「日本学生野球憲章」を読み返したという奥本監督。そこに貫かれる指揮官の哲学があります。
「もう一度読み返してみると、高校も大学も野球が『教育の一環』であることは変わらないのだと気づいた。そのことをまず第一に選手たちへ教えていこうと。そうすれば結果的に優勝できるかもしれないし、応援されるチームになれる。今日も本当に一体感を持って一生懸命応援してくれましたし、このチームづくりは間違っていなかった」
■ 「神宮での初勝利」、そして全国ベスト8へ
過去2度の全日本大学野球選手権では、いずれも初戦の壁に跳ね返され未勝利に終わっている花園大。
しかし、今のチームが見据える景色はさらに高いところにあります。
「全国ベスト8を掲げてきたので、この優勝は通過点です」と語る新エース・森田投手。
全勝で京滋を制した誇りを胸に、3年ぶりとなる神宮の杜で、同校の新たな歴史を刻む戦いに挑みます。
【東都大学野球】国学院大が7季ぶり完全優勝!青学大の7連覇を阻止、リーグ新21発の猛弾で頂点へ
【編集後記:偉大な先輩の影を追った森田投手の執念と、奥本野球の神髄】
花園大学の皆様、6季ぶりのリーグ優勝、そして全勝での神宮切符獲得、本当におめでとうございます!
今回の優勝劇、やはり胸を打たれたのは新エース・森田大翔投手の言葉です。
プロへ行った藤原聡大投手というあまりにも巨大な存在の後を継ぐプレッシャーは、外から見る以上の重圧だったはず。
「死に物狂いで練習してきた」「これで認めてもらえるかな」という一言に、この春に懸けていた彼の執念と、エースとしてのプライドが凝縮されています。
5戦5勝という結果は、文句なしに「花園大のエースは森田だ」と誰もが認める素晴らしい勲章です。
そして、京都成章時代から数々の名選手をプロへ送り出してきた奥本保昭監督の「教育の一環」という言葉。
就職やプロ入りなど、大人の階段を上る大学生だからこそ、技術だけでなく人間性やチームの一体感を重んじる奥本流の指導が、10戦中9試合で2失点以下という「我慢強く、崩れない組織」を作り上げたのだと感じます。
京滋リーグを全勝で突破した実力は本物です。
過去2回届かなかった「全国の舞台での1勝」、そしてその先にある「全国ベスト8」へ向けて、進化した花園大ナインが神宮で大暴れしてくれることを楽しみにしています!





