第95回都市対抗野球大会
8月29日、第95回都市対抗野球大会の1回戦が行われ、優勝候補の一角として期待を集めるHondaが三菱自動車岡崎と激突。
赤に染まった東京ドームの観客席から大声援を受けながらも、あと一歩届かず1点差で惜敗を喫しました。
この大舞台で敗戦の中にも強烈な輝きを放ったのが、今秋のNPBドラフト候補に名を連ねる入社2年目の長距離砲・坂口渉(わたる)内野手(23・興譲館―城西大)でした。
■ 空振りしたチェンジアップを完璧にアジャスト!右越え適時二塁打で観客席を沸かす
グラウンドに足を踏み入れ、真っ赤に染まったスタンドのHondaファンを見渡した坂口選手は、「緊張もありましたが、本当にありがたかったですし、去年と違って楽しめました」と胸を高鳴らせて打席に入りました。
見せ場は2回裏2死一、二塁の第1打席。カウント1―1からの3球目、直前の2球目で空振りさせられた同じチェンジアップを完全に見極めると、右方向へ弾き返す見事な右越え適時二塁打を放ちました。
相手投手の勝負球を即座に修正して打撃結果に結びつけるアジャスト能力の高さを示し、詰めかけたファンへ歓喜をもたらしました。
■ 「全部をきっちりやる」真面目さゆえの葛藤…先輩の助言と「モーニング部」が育んだ心のゆとり
興譲館高校、城西大学を経てHonda入りを果たした坂口選手。
学生時代から非常に真面目で「すべてをきっちりやる」姿勢で成長を遂げてきましたが、社会人1年目の夏頃まではその真面目さが空回りし、自分自身を追い込んでしまう苦しさもありました。
そんな坂口選手を救ったのが、経験豊富な先輩たちからのアドバイスでした。
「もっと楽に考えた方が良い」という言葉を受け、オンとオフの切り替えを意識するようになってからプレーの幅と気持ちに大きな余裕が生まれました。
プライベートでは、チームの先輩・峯村貴希選手と月に一度のペースで埼玉県内のカフェを巡る「モーニング部」の活動を楽しんでいるほか、チーム内の「コーヒー部(岩本久重、野尻幸輝、千葉汐凱などで構成)」から触発されてコーヒーの知識も収集。
「アイスコーヒーのブラック」を勝負のお供に、リラックスした時間を大切にしています。
■ 今季公式戦5本塁打!地元・関西で行われる日本選手権での頂点へ
今季はJABA3大会(静岡大会で2本塁打など)でチームの優勝に貢献し、すでに公式戦5本塁打をマークするなど、社会人屈指のスラッガーとしてスカウト陣の評価を高めています。
次なるターゲットは、地元・兵庫県宝塚市からも近い京セラドーム大阪で開催される「社会人野球日本選手権」です。
家族や友人が駆けつけるホームグラウンドのような温かい声援を受けながら、悲願の日本一へと突き進みます。
坂口渉内野手 「(家族は)日本選手権であれば毎回来られると思う。何とか勝ち上がって、優勝できるように頑張ります」
【編集後記:『逆方向へ押し込める体幹の強さ×オンとオフが生んだメンタルの柔軟性』。坂口渉に見る社会人屈指の長打力】
Hondaの皆様、そして坂口渉選手、東京ドームでの素晴らしい熱戦、本当にお疲れ様でした!
スコアラー目線で今回の坂口選手の打撃をアナライズすると、「直前に空振りした相手投手の決め球(チェンジアップ)に対して、軸足にタメを作って逆方向へ押し込めるスイング軌道とアジャスト技術」が非常に光っていました。
右の長距離砲として引っ張るだけでなく、ライト方向へ伸びる強いライナー性の打球を打てる技術は、木製バットでの対応力を重視するNPBのスカウト陣にとっても極めて高い評価ポイントとなります。
先輩からの助言を受け入れ、オンとオフを上手く切り替えられるようになった精神的な成長も、過酷なプロの世界でタフに生き抜くための大きな武器です。
公式戦5本塁打を放っているそのパンチ力を武器に、京セラドームでの日本選手権、そして運命のドラフト会議へ向けたさらなる大暴れに期待が高まります!







