「大学で体づくりをしてプロになって甲子園へ戻ってくる」
第108回全国高校野球選手権準々決勝 三重0―7天理 ( 2026年8月18日 甲子園 )
第108回全国高校野球選手権大会は準々決勝が行われ、三重代表の三重は4投手の継投で粘り強い戦いを見せたものの敗戦。
準優勝を果たした2014年以来、12年ぶりとなるベスト4入りは惜しくも届きませんでした。
プロ注目・最速149キロの本格派右腕である古川稟久(りく)投手(3年)は、右肘違和感などの影響で甲子園での登板機会がないまま無念の終戦。
試合後は目から大粒の涙が溢れ出しました。
■ 故障に泣いた夏。仲間が紡いだ「古川をマウンドへ立たせる」絆の継投
三重大会の開幕直前に右手中指を負傷し、実戦から離れていた古川投手は、背番号20でベンチ入り。
7月27日の県大会決勝・近大高専戦で5回から救援登板を果たしたものの、9回2死の場面で右肘に違和感を訴えて緊急降板し、歓喜の輪の中で取材にも応じられない悔しさを味わっていました。
そんな絶対的エースを救ったのが、エース左腕の吉井海翔投手(3年)ら投手陣でした。
「古川が投げられるようになるまで甲子園で勝ち進もう」と結束したチームは、2回戦・3回戦をともに3人の継投で突破。古川投手を聖地のマウンドへ戻すために全員で腕を振り続けました。
「投げられなくて落ち込んでいる中で“古川が投げられるように”っていう一言で元気づけられました。自分も最後まで全力でサポートしようっていう気持ちになりました」
0ー2で迎えた8回1死一、二塁の大ピンチでは、古川投手が伝令としてマウンドへ。
野手陣とともに笑顔でホーム方向を向き、仲間たちに思いを託しました。
「“オレはもう一回、この景色を見たいから頑張ってくれ”と言ったときに(仲間が)“そうやな。古川が投げているところでオレらも守りたい”って、笑顔で話してくれました」
3年間苦楽を共にした最高の仲間たちへ、試合後は涙とともに思いを伝えました。
「3年間、一緒にやってきた仲間なんで“一緒に野球ができてよかった”と伝えたい」
■ 進路は大学進学へ!国スポでの復活と4年後のプロ入りを誓う
甲子園でベスト8へ進出したことで、10月に青森県で開催される国民スポーツ大会(国スポ)への出場校に選出される可能性があります。
古川投手は次なる戦い、そしてその先にある未来へ向けて強い意志を語りました。
「国スポには投げる気でいるので、それまでに調整したい。
甲子園で投げられなかったぶん、大学でしっかり体づくりをしてプロになって戻ってきたい」
聖地での悔し涙を成長の糧に変え、仲間との絆を胸に、4年後のNPB入りと甲子園球場への帰還を誓いました。
【甲子園】阪神タイガースJr出身の二刀流!敦賀気比の2年生4番・辻琉成が「4番・投手」で投打躍動!
【編集後記:『仲間が繋いだバトンと伝令で見せた覚悟』。古川稟久のポテンシャルと大学経由でのプロ指名ロードマップ】
三重高校の皆様、そして古川稟久投手、ベスト8という立派な成績と感動的な戦いぶり、本当にお疲れ様でした!
スコアラー目線で今回の三重高校の戦いをアナライズすると、主戦投手である古川投手を欠く中で吉井投手をはじめとする投手陣が「継投によるピッチングデザイン」を徹底し、ベスト8まで勝ち上がったチームワークと選手層の厚さは見事の一言でした。
古川投手自身、甲子園のマウンドに立てなかった悔しさは計り知れませんが、最速149キロを計測するその高い出力と、投げっぷりの良さは元々スカウト陣からも非常に高い評価を受けていた素材です。
焦って不完全な状態のまま無理に登板して肩肘のダメージを深刻化させることなく、しっかりと養生に専念できたことは、彼の長い野球人生を考えれば決してマイナスばかりではありません。
高卒での直接のプロ入りではなく「大学進学」を選択し、4年間で体幹と投球フォームのメカニクスを鍛え直す決断は、投手・古川稟久の価値を飛躍的に高める最高の選択です。
大学で常時150キロオーバーを連発する大エースへと覚醒を果たせば、4年後のドラフト会議では上位指名候補として間違いなく球界の注目の的となるはずです。
まずは故障を完全に癒やし、国スポでの快投、そして大学野球での大覚醒へ。
不屈のメンタルを持つサウスポー・古川稟久投手がプロのマウンドへ駆け上がっていくサクセスストーリーを、虎渓三笑TVでも熱く追い続けていきます!





