今秋のドラフト上位候補に挙がる最速156キロ右腕
第97回都市対抗野球大会2次予選近畿地区第1代表決定トーナメント1回戦
日本製鉄瀬戸内9―4島津製作所 ( 2026年6月4日 大阪シティ信用金庫スタジアム)
アマチュア野球最高峰の舞台を目指す、第97回都市対抗野球大会の近畿地区第1代表決定トーナメントが5日、幕を開けました。
3年連続の本戦(東京ドーム)出場を狙う強豪・日本製鉄瀬戸内が初戦で島津製作所と対戦。9ー4で快勝し、幸先の良いスタートを切りました。
この試合でネット裏のプロスカウト陣からひときわ熱い視線を集めたのが、今秋のドラフト上位候補に挙がる最速156キロ右腕・下堂翔史(しもどう・しょうじ)投手(2年目)です。
緊迫した局面での見事な火消しを披露し、進化したピッチングを見せつけました。
■ 1点差の緊迫した7回に登板。四球にも動じず「集中して投げられた」
試合は中盤まで日本製鉄瀬戸内が5点リードで優位に進めていたものの、7回裏に島津製作所の猛反撃を浴び、5ー4の1点差にまで詰め寄られる緊迫した展開を迎えます。
なおも1死一塁という同点・逆転のピンチの場面で、チームは満を持して下堂投手を2番手としてマウンドに送り出しました。
代わり端、先頭打者にフォアボールを与えて1死一、二塁とピンチを広げてしまったものの、ここから2年目右腕が真価を発揮します。
すぐさま気持ちを切り替えると、後続の打者を圧巻の空振り三振、続く打者も注文通りのショートゴロに仕留めて見事無失点でクローザーとしての仕事を完遂。
相手の反撃の芽を完全に摘み取り、チームに勝利の流れを引き戻しました。
試合後、下堂投手は「先頭打者の四球から切り替え、集中して投げることができました。球自体も悪くなく、しっかりとこの予選の試合に入ることができたと思います」と、安堵の表情とともに手応えを語りました。
■ 「勢い」から「幅の広い投球」へ――変化球の精度向上で掴んだ大人のマインド
日本文理大から入社して2年目を迎え、今年が運命のドラフト解禁年となる下堂投手。
大学時代は最速150キロだったストレートが、昨秋の社会人野球日本選手権で驚異の156キロを計測したことで、一躍全国区のトレンドに躍り出ました。
これまではその圧倒的な「球威・勢い」でねじ伏せるスタイルが持ち味でしたが、今春に先発マウンドを経験したことで、投手としてもう一回り大きな脱皮を遂げています。
先発挑戦を通じてカットボールやスプリットといった変化球の精度が飛躍的に向上。
本人が「去年までは勢いだけで投げていたけれど、今は打者の反応を見ながら幅広い投球ができるようになりました」と語る通り、力任せではない「勝てるピッチング」を確立しつつあります。
■ NPB9球団のスカウトが集結!「都市対抗に出ないことにはスタートラインに立てない」
この日、バックネット裏には巨人やオリックスをはじめとするNPB計9球団のスカウトがズラリと顔を揃えました。
150キロ台中盤の剛速球に、打者を翻弄する変化球が備わったとあれば、各球団の評価がさらに跳ね上がるのは確実です。
大きな注目を浴びる中、右腕は足元をしっかりと見つめています。
「ドラフト指名が一番の目標ではあるけれど、都市対抗の本戦に出ないことには、そのスタートラインにも立てない」
個人のアピールよりも、まずはチームを東京ドームへ導くこと。
その強い覚悟を胸に、瀬戸内の絶対的守護神が、激戦の近畿予選を無双します。
◇下堂 翔史(しもどう・しょうし)2002年(平14)10月20日生まれ
熊本市出身の23歳。
小4から池上野球クラブで野球を始め、三和中では軟式野球部に所属。開新(熊本)では1年夏に背番号11でベンチ入りし、1年秋に背番号1。
日本文理大では4年春に全日本大学野球選手権に出場。
日本製鉄瀬戸内では入社1年目から都市対抗、日本選手権に出場。
50メートル走6秒8、遠投110メートル。1メートル75、90キロ。右投げ右打ち。
【都市対抗東海地区2次予選】王者が大勝発進!トヨタ自動車の先発左腕・池村健太郎が5回7K無失点
【編集後記:『156キロ+変化球』を手に入れた下堂翔史、近畿を勝ち抜く究極のジョーカーへ】
日本製鉄瀬戸内の皆様、初戦突破おめでとうございます!
まずは1勝、ホッとしたファンの方も多いのではないでしょうか。
その中で、やはり下堂翔史投手のマウンドは別格のオーラがありましたね。
1点差、1死一塁という「絶対に失敗が許されない」シチュエーションでの救援。
先頭への四球でさらにプレッシャーがかかる場面だったにもかかわらず、そこから全く動じずに三振と内野ゴロで料理してみせる精神力は、大卒2年目とは思えない風格を感じます。
何より魅力的なのは、本人が口にした「打者を見ながら幅広い投球ができるようになった」という言葉です。
昨秋の156キロという数字だけでプロのスカウトはヨダレものだったはずですが、そこに「カウントが取れて勝負もできるカットボールとスプリット」が加わったとなれば、打者からすれば絶望以外の何物でもありません。
先発を経験したことで、力の入れどころや抜きどころ、打者の狙い球を外すインサイドワークを学んだことが、この予選初戦のしびれる場面で最高の形で活きました。
9球団のスカウトが集結したという事実が、彼の現在地を物語っていますが、「まずは都市対抗の本戦出場」と言い切るフォア・ザ・チームの精神がある限り、この右腕がマウンドで大崩れすることは考えにくいでしょう。
近畿地区は、強豪がひしめく全国屈指の超激戦区です。
ここから先、さらにタイトな展開が増える中で、下堂投手が後ろに控えているという安心感はチームにとって最大の武器。
東京ドームの黒獅子旗を目指し、進化を続ける156キロ右腕のピッチングを、虎渓三笑TVでも引き続き最注目で追いかけていきます!





